
顎関節症
顎関節症
顎関節症は、顎(あご)の関節や動きに対するトラブルの総称です。主に次のような症状が現れます。
最初は耳の前(顎関節)から「カクカク」と音がするだけですが、そのまま放っておくと痛みが出たり、口が開けづらくなったりします。そのため、固い食べ物が噛めない、大きな食べ物が食べにくい、顎の音が気になるなどの症状に発展する可能性があります。
顎関節症は、歯科で適切な治療および、生活習慣を改善することで症状が良くなる傾向があります。次のような症状がある方は、ぜひ当院へご相談ください。
こんな症状はありませんか?
顎関節症は症状によって4つの分類があります。
咀嚼(そしゃく)筋痛障害(Ⅰ型)
咀嚼筋とは、ものを噛んだり、口の開け閉めをしたりするときに使う筋肉で、こめかみや頬にあります。咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)は、その筋肉が痛む顎関節症を指します。
顎関節痛障害(Ⅱ型)
主に顎関節が痛む障害であり、顎を動かすときに耳の中やその周辺の関節が痛みます。原因には、硬いものを無理して噛む、あくび、寝ているときの歯ぎしり、噛み合わせのゆがみなどが考えられます。
顎関節円板障害(Ⅲ型)
顎関節円板とは、顎関節の内部にある軟骨のことです。顎関節円板がズレたり、形が変わったりすることで、口が開けにくくなり、顎から音が出るようになります。日本顎関節学会「顎関節症治療の指針2020」によると、顎関節円板障害が顎関節症の中で最も多く、60〜70%を占めることが明らかになりました。
変形性顎関節症(Ⅳ型)
顎関節の内部の骨が損傷、変形することで口が開けにくくなり、痛みを感じるのです。また、開口するときに「ミシミシ」「ザリザリ」といった捻髪音(ねんぱつおん)が起こります。加齢とともに、変形性顎関節症は増える傾向があります。
顎関節症の発症メカニズムが明らかにされていない点もありますが、さまざまな要因が重なり起きると言われています。
環境因子
行動因子
クセや習慣
個人の要因
顎関節症の治療方法を解説します。
顎に負担をかける生活習慣やクセについてアドバイスをします。
たとえば、頬づえをつく、口の片側だけで食べ物を噛むなど、常に片方の顎に負担がかかる場合は、クセを直す方法を指導します。
また、顎関節症の方にとって、スルメやフランスパンといった硬いものを食べることやガムを噛むことは、症状を悪化させる原因の一つです。そのため、日常生活での注意点もお伝えしています。
ものを噛んだときに痛む、咀嚼筋痛障害(Ⅰ型)の顎関節症に効果的です。
顎関節周辺の筋肉のこわばりや血流を改善する目的でおこないます。顎関節周辺、頬の部分を円を描くように指圧します。
蒸しタオルで周辺を温める、お風呂でマッサージをすることで、より血流が良くなるためおすすめです。
顎関節周辺の筋肉に痛みがあるとき、口が開けにくいときにおこないます。筋肉を伸ばしたり、関節を動かしやすくしたりする効果があります。
歯科医による指導のもと、自宅でもストレッチを継続してください。
痛みがつらいときや炎症がある場合は、痛み止めや炎症を抑える薬を処方します。
とくに、顎関節周辺の筋肉のこわばりが強い場合は、筋肉をほぐす薬を使うこともあります。
症状や体質に応じて、痛み止めの種類や服用方法を調整するため、お気軽にご相談ください。
顎関節症の原因の一つは「歯ぎしり」です。
とくに、寝ているときに歯ぎしりを自身で抑えることは難しいため、マウスピースで治療することがあります。
上顎と下顎を覆うような透明のマウスピースで、基本的に寝るときのみ装着します。
マウスピースの効果は以下のとおりです。
当院では、顎関節症に対するマウスピースを作っています。保険適用の治療であるため、安心してご利用いただけます。
治療によって症状が改善しない一部の顎関節症では、手術による治療をおこなうことがあります。当院での治療が難しい場合は、他院へ紹介します。
顎関節症の中には、歯が痛む方もいます。寝ているときに知らぬうちに歯ぎしりをして、顎関節や歯に負担をかけているのです。歯磨きをしっかりしているのに「歯が痛い」という方は顎関節症の可能性もあるため、ぜひ当院へご相談ください。
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