歯ぎしりは歯周病を悪化させる?知らないうちに歯を失う「力」の問題|渋谷駅C2出口徒歩1分の歯科・歯医者│渋谷おおの歯科・矯正歯科

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歯ぎしりは歯周病を悪化させる?知らないうちに歯を失う「力」の問題

歯ぎしりは歯周病を悪化させる?知らないうちに歯を失う「力」の問題|渋谷駅C2出口徒歩1分の歯科・歯医者│渋谷おおの歯科・矯正歯科

2026年6月21日

歯ぎしりは歯周病を悪化させる?知らないうちに歯を失う「力」の問題

「毎日きちんと歯を磨いているのに歯周病が進んでしまった。」

「定期的にクリーニングを受けているのに、歯が揺れてきた。」

「歯周病治療を続けているのに、なかなか改善しない。」

歯科医院で診療をしていると、このようなお悩みを伺うことがあります。

もちろん歯周病の原因は細菌です。

しかし、細菌だけでは説明できないケースも少なくありません。

歯科医療では昔から、

歯周病は感染の病気であると同時に、『力』の病気でもある

と言われています。

今回は、あまり知られていない「歯ぎしり・食いしばり」と歯周病との関係についてお話します。

日本人が歯を失う最大の原因は歯周病

歯を失う原因として最も多いのは、むし歯ではありません。

現在の日本では、歯を失う最大の原因は歯周病です。

歯周病は歯ぐきだけの病気ではなく、歯を支えている骨が徐々に吸収されていく慢性炎症性疾患です。

初期にはほとんど症状がありません。

歯磨きの時に少し血が出る。

口臭が気になる。

歯ぐきが少し腫れる。

その程度のことが多く、痛みはほとんどありません。

そのため、

「痛くないから大丈夫」

と思っているうちに進行し、

歯が揺れる。

噛みにくい。

前歯が開いてくる。

最終的には抜歯が必要になることもあります。

歯周病だけでは説明できない歯の揺れ方

歯周病が進行すると歯は揺れます。

しかし実際には、

骨の吸収は軽度なのに大きく揺れている歯。

特定の歯だけが急速に悪化するケース。

クリーニングを続けても改善しない歯。

こうした症例を経験することがあります。

そんな時に考えなければならないのが、

咬合性外傷(こうごうせいがいしょう)

です。

難しい言葉ですが、簡単に言えば、

歯や歯を支える組織が、過剰な噛む力によってダメージを受けている状態

を意味します。

骨は力に反応する組織です

骨は単なる硬い構造物ではありません。

私たちの体の骨は常に作り替えられています。

筋肉を鍛えると骨密度が増える。

長期間寝たきりになると骨が痩せる。

これは骨が刺激に反応しているからです。

歯を支えている歯槽骨も例外ではありません。

適度な刺激は問題ありません。

しかし生理的な範囲を超える力が加わると、

歯根膜が傷つき、

炎症が起こり、

骨の吸収が促進されることがあります。

つまり、

細菌による炎症

過剰な咬合力

この二つが重なることで歯周病は急速に悪化することがあるのです。

歯ぎしりには三つのタイプがあります

歯ぎしりと聞くと、

「ギリギリ音がするもの」

を想像する方が多いかもしれません。

実際には歯ぎしりには三つのタイプがあります。

グラインディング。

歯を横に擦り合わせるタイプです。

周囲の人が気付くこともあります。

クレンチング。

強く噛み締めるタイプです。

音が出ないため、最も気付きにくい歯ぎしりです。

タッピング。

歯をカチカチと接触させるタイプです。

この中で最も多いのはクレンチングと言われています。

本人は全く自覚していないことも珍しくありません。

睡眠中の歯ぎしりは想像以上に強い

食事の時に歯へ加わる力は20〜30kg程度と言われています。

ところが睡眠中の歯ぎしりでは、

60kg以上、

時には100kg近い負荷が発生することもあります。

しかも睡眠中は無意識です。

痛みを感じても力を抜くことができません。

毎晩何時間も、

歯。

歯周組織。

顎関節。

咀嚼筋。

これらに負担がかかり続けている状態になります。

歯周病と歯ぎしりが重なると何が起こるのか

例えるなら、

健康な歯は大きな木です。

根が深く張っているため、多少風が吹いても倒れません。

一方で歯周病が進行した歯は、小さな鉢植えの木のようなものです。

少し風が吹いただけでも大きく揺れます。

歯槽骨が半分失われている歯では、

同じ100kgの力でも、

支えられる面積は半分になります。

すると歯根膜は常に損傷を受けます。

歯が揺れる。

炎症が増える。

さらに骨が減る。

そしてまた揺れる。

悪循環に入ってしまうのです。

セラミックやインプラントにも影響する

歯ぎしりは天然歯だけの問題ではありません。

セラミックは非常に美しい素材ですが、

一点に集中した衝撃には弱い性質があります。

歯ぎしりがあると、

欠ける。

割れる。

脱離する。

ことがあります。

またインプラントには歯根膜がありません。

天然歯には衝撃を吸収するクッションがありますが、

インプラントは骨と直接結合しています。

そのため、

スクリューの緩み。

上部構造の破損。

周囲骨への負担。

につながることがあります。

日中の食いしばり「TCH」を知っていますか?

最近注目されているのが、

TCH(Tooth Contacting Habit)

です。

上下の歯が接触している時間は、

本来1日20分未満と言われています。

しかし現代人は、

パソコン作業。

スマートフォン。

車の運転。

家事。

ゲーム。

筋トレ。

集中すると無意識に歯を接触させていることがあります。

数時間続くだけでも歯周組織への負担は蓄積されます。

歯ぎしりはストレスだけが原因ではない

歯ぎしりはストレスが原因と言われることがあります。

確かに精神的ストレスは関係します。

しかしそれだけではありません。

睡眠の質。

アルコール摂取。

喫煙。

カフェイン。

睡眠時無呼吸症候群。

胃食道逆流症。

服用している薬。

こうした要素も関与すると考えられています。

つまり、

「ストレスをなくせば治る」

という単純な問題ではないのです。

歯科医院ではどんな検査をするのか

歯ぎしりはレントゲンだけでは診断できません。

歯の咬耗。

骨の形態。

歯の動揺。

歯根膜腔の拡大。

舌の圧痕。

頬粘膜の咬合線。

筋肉の発達。

顎関節の状態。

これらを総合的に評価します。

ナイトガードは本当に効果があるのか

マウスピースを作ると、

「歯ぎしりが治るんですか?」

と質問されます。

残念ながら、

歯ぎしりそのものを完全になくすことは難しいと言われています。

しかし、

歯が削れることを防ぐ。

歯周組織への負担を減らす。

顎関節へのダメージを軽減する。

という意味では非常に有効です。

ボツリヌストキシン治療という選択肢

咬筋にボツリヌストキシンを注射し、

筋力を弱める治療もあります。

特に、

咬筋肥大。

エラ張り。

重度の食いしばり。

には効果が期待できます。

ただし永久的な治療ではありません。

数か月ごとに再治療が必要になります。

歯を長持ちさせるために大切なこと

歯科医院は、

歯を削る場所ではなく、

歯を守る場所へ変わりつつあります。

むし歯を予防する。

歯周病を予防する。

そして歯を壊す「力」を管理する。

この三つが揃って初めて歯は長持ちします。

朝起きると顎が疲れている。

肩こりがひどい。

歯が短くなってきた。

歯周病と言われた。

セラミックが何度も壊れる。

そんな症状がある方は、

細菌だけではなく、

「力」の問題にも目を向けてみてください。

歯は一度失うと元には戻りません。

だからこそ、症状が出てから治療するのではなく、

症状が出る前に原因を見つけること。

それが将来も自分の歯で食事を楽しむための、大切な第一歩になるのではないでしょうか。

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